2 信託契約書を公正証書にする際の注意点1 事 例 信託契約書を公正証書にする場合,まず,公正証書の作成を依頼する公証役場を決めます。そのとき,委託者や受託者などの関係者にとって訪問することが容易な場所にある公証役場とすることが良いでしょう。 公正証書の作成にあたっては信託契約書の内容について事前に公証人の確認を経ておく必要があります。公正証書の作成を依頼する公証役場を決めた後,公証人と連絡を取り,信託契約書のドラフトを公証人に送ります(メールやFAXを利用することが通常です)。公証人から修正すべき点や疑問点について指摘があれば,それらに対応しドラフトの調整を行います。 このような信託契約書のドラフトの確認を行った後,公証人と日程調整のうえ,実際に信託契約書の公正証書を作成することになります。 信託契約書のドラフトの確認と並行して,公正証書作成に際して持参すべき身分証明書などの資料や費用についても確認しておくと良いでしょう。 夫Xと,妻Yは,XとYの共有名義で購入した収益用不動産を所有しています。ここで,XとYは,収益用不動産を有効に活用できるようにしたいと考え,XとYを委託者,Yを受託者,XとYを受益者とし,収益用不動産及び金銭を信託財産とする信託を組成することを検討しています。44第2章 信託契約書等を作成する際に留意すべき事項Q16一通の公正証書で,信託契約の締結と自己信託の設定を行うことはできますか。
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