ひまわり信託研究会は既に2017年3月に日本加除出版から伊庭潔編著『信託法からみた 民事信託の実務と信託契約書例』を刊行しており,同書は民事信託の活用・発展に大いに資するものでした。本書はその続編です。 本書は民事信託の具体的な活用例から得られた注意点,留意点を体系的にまとめたものです。体系的ではありますが,読者にわかりやすい表現でQ&Aの形式でまとめられています。内容としても第1章 総論――民事信託の仕組みから始まり,第2章 信託契約書等を作成する際に留意すべき事項では基本的な事柄を述べ,第3章では信託契約書等の作成後の事務を取り扱い,第4章 民事信託と隣接制度――後見,遺言,事業承継などでは信託に関連する制度との比較を行い,第5章民事信託を巡る法律関係では具体例を用いながら法律関係を簡潔かつ正確に表現しています。さらには,第6章 民事信託の税務では信託税制の基本と留意点をまとめており,第7章 金融機関の民事信託実務では従来の類書には見られなかった金融機関向けのポイントを押さえ,最後に,第8章 主な改正では信託法の改正に関連した最新のQ&Aをもって締め括られています。 本書には3つの特徴があります。第1は,わかりやすさと体系性という2つが調和している点です。第2は,豊富な具体例を用いて実際的な解決を導いている点にあります。第3は,預金保険機構,FATF,推薦の言葉 i推薦の言葉
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