iv はしがき 第3に,民事信託実務の在り方に関し,一定の方向性を示すようにしました。我が国において,民事信託が広く使われるようになってまだ数年しか経っていません。そのため,実務が定着しておらず,民事信託を巡り,何が正解で何が不正解かが理解されていない状況です。このまま誤った使われ方が広まるならば,民事信託は信用できない制度だと社会から見放されてしまうだろうと思っています。これからも,民事信託が信用できる制度として使われ続けるためには,“正しい民事信託”が普及していく必要があります。本書では,このような懸念から,“正しい民事信託”の姿を示すことを意識しました。 本書でも,「ひまわり信託研究会」のメンバーが執筆を担当しました。前書の出版後も,「ひまわり信託研究会」のメンバーは,日常的に,メーリングリストなどで民事信託に関する議論を続けています。そこでの議論の蓄積が本書の執筆に活かされています。 「ひまわり信託研究会」の代表である伊東大祐弁護士とは,平成25年に開催された日本弁護士連合会第18回業務改革シンポジウムで知り合い,当時,お互いシニアの柴犬を飼っていることもあり,それ以来,親しくしてきました。残念ながら,前書の発刊前に,伊東代表の「まめ」ちゃんも,我が家の「マイル」も虹の橋を渡ってしまいました。時を経て,現在,伊東代表の傍らには柴犬の「こまめ」ちゃん,そして私の足下には豆柴の「ぽんぽん」が輝くような笑顔をみせています。伊東代表と私にとって,民事信託と柴犬は切っても切れない関係にあります。これからも,伊東代表とともに,民事信託と柴犬を大切にしていきたいと思います。
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