不判例
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1 判例を調査するための基本の流れは、① 基本的な書籍(それぞれが使いやすいもの)をベースにして、そこに載っている判例をもとにして、公刊されている判例集(判例時報や判例タイムズなど)にあたる3 しかし、前記の場面1(具体的な事件における判例調査)では、そうはいきません。一つ一つの判例を詳細に事案分析しながら、判例理論を深掘りして、訴訟や相談における最も適切な進め方を検討することになります。これには、相当の時間を費やします。一つの裁判例を読むだけでも、きちんと読めばかなりの時間がかかりますから、道しるべがあるのとないのでは、まったく、判例調査にかけるエネルギーが違ってきます。4 前記の場面2(法的な意見の表明)についても、判例知識が必要です。ことに法的な意見を表明するに際して、最新の裁判例の調査が漏れるようなことがあれば、内容が不適切で誤ったものになってしまうおそれが大きくなり、依頼者からの信頼を失うことにもなります。具体的な事件における判例調査と比較すると、裁判例の事実を深掘りする必要はないけれども、関連すiv家として専門分野に精通し、依頼者の信頼に応えるためには、情報をアップデートして最新判例を把握しておくことが必要不可欠です。② 判例の解説に、参照する判例が出ている場合には、参照判例にあたる③ 一定分野の判例を集中して扱っている書籍があれば、その書籍を調べる④ 判例データベースにキーワード検索をかけて、出てきた判例を読むということになります。2 前記の場面3(基本的知識の獲得)だけでみれば、①〜③の作業をして、一応の判例チェックをすれば、それで足りると思われます。一から始めると数日間かかる調査と検討が、適切な道しるべがあれば、30分で判例調査を終えることができます。■第2 判例の調べ方

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