(試し読み)家庭裁判所における監護者指定・保全の実務
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4 子の意向(心情)調査 81とはとても難しい。そのため子が自身で経験した出来事や現在生活している具体的な状況を聴き取り,子が語る際の表情,しぐさ,声のトーンなどを踏まえて理解することになる。そして,気持ちとして語られた言葉と具体的な出来事や生活状況とを照らし合わせることで,子の気持ちを把握することができるのである。 子が父母にどのような思いを持っているのか,父母との関係性はどのようなものであるのかを把握することを目的とするものである。 父母に対する認識などについても,子との面接,言葉のやり取りだけでそれらを把握することは困難といえる。前項の生活状況と同じく,父母との生活での具体的な出来事(楽しかったこと,嫌だったこと,平日・週末の平凡な日常での具体的な関わり,病気や宿題など困ったときのこと,別居親と一緒に暮らさなくなって変わったこと,同居親と一緒に暮らせなくなったら困ることなど)を丁寧に聴き取り,その際の表情などの非言語的情報も細やかに観察することが極めて重要である。 子の意思把握尊重や手続保障など家事事件手続法の趣旨からも本件に対する意向聴取が行われている。子の意向・心情調査は,どちらの親と暮らしたいかといった二者択一的な意見を聞くものではない。「仮に裁判官が父(母)と暮らしなさいと決定したら,どうなるか。反対に母Q 子の気持ちや心情を把握することでどのような効果があるのでしょうか。17 把握した子の気持ちと父母が捉えている子の気持ちに差異があるかどうかを照らし合わせることで,父母が子の気持ちや心情をどの程度把握できているのかを推察することもできます。更には,父母が子の気持ちに配慮してどのような言動を取ることができているのかを把握することにもつながります。○父母に対する認識,父母との関係○本件に関する意向,心情

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