(試し読み)家庭裁判所における監護者指定・保全の実務
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Scene 7 第1回審判期日のはじまり 203Q 第1回審判期日に当事者が出席している場合,代理人としてはどのような点に配慮すればよいでしょうか。 ベテラン裁判官である草岡裁判官は,調停期日では進行状況を踏まえて硬軟織り交ぜた対応で場面を引き締めたり,逆に雰囲気を緩和するなど絶妙な指揮をとるのだが,審判,特に第1回の審判期日ではどうしても威厳が先に立ってしまう面がある。 戦闘モード全開の代理人も少なくなく,拡散しがちな争点を適切に整理していくためには威厳ある手続指揮は大切なのだが,裁判に不慣れな当事者にとっては敷居がもう一段高くなったように感じられるのではないかと思う。 もちろん実質的な審理に入れば,調停同様に当事者自身の言葉で語ってもらう機会も増え,当事者の戸惑いや不安にも寄り添い,必要に応じて一方当事者を退室させるなど細やかな配慮のもとで進行することになるのだが,対立的な雰囲気で始まる審判の緊張感,威圧感に圧倒される当事者を目にするたび少し心が痛む。 最終的にはどこかで折り合いをつけてお互いの合意で解決してもらいたい気持ちがあるため,最初の緊張場面がお互いの敵愾心をあおる方向に働いてしまうのではないかと駒場は心配になるのだった。31 第1回審判期日では,提出された書証の確認から始められることが多いようです。 審理の前提となる書証を確認するのは,裁判所と代理人にとっては当然のことですが,当事者にとっては,その中で使われる「甲号証,乙号証」,「写し」,「直送」などの言葉は初めて聞く用語に感じられ,緊張を高める方も少なくないようです。代理人としては,当事者に基本的な専門用語の説明をしておいたり,審判事件等の手続の概要を十分に理解してもらうよう配慮が求められます。裁判所に備え付けてあるパンフレット等を利用しても良いでしょう。

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