(試し読み)家庭裁判所における監護者指定・保全の実務
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Scene 9Q 調査報告書を閲覧・謄写するにはどのような手続をすればよいでしょうか。 当事者が調査報告書を閲覧等をするに当たっては,まず,裁判所に備え付けられている家事事件記録等閲覧・謄写票(以下「閲覧・謄写票」という。)に,謄写・閲覧の範囲を特定して(例えば「○月○日付け調査報告書」などと記載する。),閲覧・謄写の申請をします。 代理人による申請の場合には,委任状が必要になることが多いでしょう。申請手数料は,1件につき150円です(民訴費7条別表第2①)。 このようにして申請がされると,裁判官が閲覧等の許否を判断することになります。この点,家事審判事件においては,当事者からの閲覧等の申請の場合,裁判所は,原則として記録の閲覧等を許可することとされています。 例外は,①事件の関係人である未成年者の利益を害するおそれがある場合,②当事者若しくは第三者の私生活若しくは業務の平穏を害するおそれがある場合,③当事者若しくは第三者の私生活についての重大な秘密が明らかにされることにより,その者が社会生活を営むのに著しい支障を生じ,若しくはその者の名誉を著しく害するおそれがある場合,④事件の性質,審理の状況,記録の内容等に照らして当事者に記録の閲覧等を許可することを不適当とする特別な事情があると認められる場合とされています。(家事法47条3項,4項)。 調査報告書の場合,一部,これを開示することにより未成年者の利益を害するおそれがある場合(前記①)もあり得ますので,その部分を除いて許可されることがあります。212 第1章 事件申立て及び保全処分の審理 駒場調査官は,予定通りに調査を進め,令和元年5月9日,保全事件についての調査報告書を提出した。関書記官は,事件記録に編綴された調査報告書を点検して,草岡裁判官の決裁を受け,両代理人事務所に調査報告書の提出があった旨を連絡して閲覧謄写を行うよう促した。33調査報告書の提出

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