ネト請
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2 削除請求すると増えるリスクがあるもの 〈検索結果の削除請求〉25⑴ サイトの目的・テーマ⑵ 削除請求の公表⑶ 悪意のある個人 削除請求の注意点が採用されていると,サーバーの電源を切るしか方法がありません。この場合には,サイト管理者を開示してもらい,サイト管理者に削除請求することになります。 サイトの目的やテーマによっては,削除請求により「この記事に対し本人から削除請求がありました」と公表され,削除請求に応じない理由を説明する新たな記事が作成されるケースもあります。 こうなると被害者にとっては苦痛のタネが増えるだけであり,削除請求自体を再検討する必要があります。裁判所の手続ならば安心というものでもなく,「削除仮処分が申し立てられました」という新たな記事を作成されるケースもあります。 サイト管理者の方針によっては,削除請求の通知・訴状などをアップロードされるケースもあります。原告の氏名,住所などをマスキングしなかったことが違法だと判断した裁判例もありますが(大阪高判平29.11.16公刊物未掲載),アップロードされた書類を削除請求するにも手続が必要となることから,そのようなリスクは事前に検討しておく必要があります。 投稿者に悪意があると,いったんは削除請求に応じるものの,後日,新たに同じ記事を公表するケースがあります。削除請求の繰り返しになることを避けるには,投稿者を特定のうえ,二度と同じ記事を公表しないよう,交渉することも必要です。 海外サーバーが利用されていて削除請求しにくいケースや,サイト側の悪意により,削除請求すると消したいものが増えると思われるケースでは,直接の削除請求を避け,検索結果の削除請求(➡・■)にとどめることも検討してください。

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