〈アカウント情報の開示請求〉373 特定できないケースも多い IPアドレスから順番にたどる方法では,最終的に投稿者を特定できないケースも多いため,受任の際には説明が必要です。 代表的なのは,ネットカフェやホテルからの投稿です。施設までは特定できますが,誰が投稿者なのか特定できないケースが多々あります。インターネット接続サービスの付いたマンションも同様です。 接続プロバイダに固有のケースですと,NTTドコモ,ソフトバンク,KDDIなどは,接続先IPアドレス(➡)が分からないと発信者を特定できないことがあります。⑵ 投稿フォームがあるかどうか 発信者情報開示請求の注意点録されていません。そのため,コピーサイトにIPアドレスの開示請求をしても,オリジナルの投稿者を特定することはできません。 同じ記事が複数あるときは,どのサイトで投稿されたものかを特定のうえで開示請求しましょう。 掲示板サイトでは,オリジナルの投稿場所には投稿フォームがあります。ブログのコメント欄についても,投稿フォームがあれば,そのブログで投稿されたものと判断できます。 もっとも,2ちゃんねる(2ch.sc)は例外です。投稿フォームはありますが,5ちゃんねる(5ch.net)から取り込んだ投稿も表示されています。2ちゃんねるの投稿のうち,5ちゃんねるで投稿されたものは,投稿者IDの末尾に「.net」と記載されているので区別できます。 IPアドレスから投稿者をたどれない可能性を考え,サイトが保有しているアカウント情報の開示請求も検討しましょう。例えば,Yahoo!知恵袋の投稿者をIPアドレスからたどれなかった場合でも,ヤフーが投稿者の住所氏名を知っている場合があります(ヤフオクを利用しているアカウントなど)。X(Twitter),Googleでは,投稿者のメールアドレス,携帯電話番号を開示請求できる可能性があります。
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