ネト請
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Column 平成20年代はじめ,私が削除請求・発信者情報開示請求の業務を始めたころは,「風評被害対策業者」「削除業者」と呼ばれる事業者が多く存在し,市場で弁護士と競合していました。相談者にアイミツを取られていることもありましたし,事業者の広告には,弁護士との価格比較が掲載されていました。また,事業者からの事業提携(非弁提携)の誘いも多くありました。削除請求は自分たちでできるが,開示請求はできないので送客する,といった内容です。 しかし,削除請求は人格権侵害差止請求権の行使であり,民間事業者の削除請求は非弁行為(弁護士法72)ではないかと,いつも思っていました。そこで平成27年,唐澤貴洋弁護士と共同原告となり,そうした業者の1つを相手に訴訟を起こしたのですが,争点の組み立てに失敗したためか,思うような結果は得られませんでした(東京地判平27.9.25,知財高判平28.2.24裁判所HP)。 その後,中澤佑一弁護士が原告代理人となった事件(東京地判平29.2.20判タ1451号237頁)において,削除業者の削除請求は弁護士法72条違反(非弁行為)と認定され,以後,削除業者は事業形態を変更していく流れとなったのです。 最近ではめっきり,削除業者は見かけなくなりました。風評被害対策業者は,逆SEO(Search Engine Optimization)のような,事実行為を中心とした事業活動にシフトしているようです。もっとも,風評被害対策のコンサルは,事実行為ではなく法律相談なのでは,と個人的には思っています。第1章 相談と受任16削除請求と非弁行為1

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