リモート
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1  労災とは 労災とは,「労働災害」のことで,労働契約に基づき事業主の支配下にある業務中や通勤中に労働者に発生した災害(怪我や病気,死亡等)をいいます。労災が発生した場合,労働基準法118)に基づき,使用者は療養補償や休業補償,遺族補償等しなければならず,労働者又はその遺族は,労働者災害補償保険法に基づき,治療費や休業補償等の給付を受けることができます。 リモートワークは,職場での勤務とは勤務する場所が違うだけであって,事業場における勤務と同様,労働契約に基づいて事業主の支配下にあることによって生じたリモートワーク下における災害は,「業務災害」として労災保険給付の対象となります。ただし,通常の労災と同様,私的行為が原因である災害については,業務災害とは認められず,労災保険の給付対象とはなりません。第1章 労働問題82118)第8章「災害補償」解説 従業員がリモートワークで,自宅で勤務していたところ,業務時間中にトイレのために椅子から立った際,足を滑らせて転倒し,足の骨を折ってしまいました。労災の対象になりますか。 リモートワークであっても,事業場における勤務と同様,労働契約に基づき事業主の支配下にあることによって生じた災害として労災の対象となります。リモートワーク勤務中に,トイレに立とうと椅子から立ち上がった際,足を滑らせて転倒し,足の骨を折ったことにつき,業務行為に起因して災害が発生したもので,私的行為によるものでないと考えられるので,業務災害として労災の対象となると考えます。19  労働安全衛生(労災)19

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