同一賃金
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イ  基本給について,労働者の能力又は経験に応じて支給しているA社において,ある能力の向上のための特殊なキャリアコースを設定している。通常の労働者であるXは,このキャリアコースを選択し,その結果としてその能力を習得した。短時間労働者であるYは,その能力を習得していない。A社は,その能力に応じた基本給をXには支給し,Yには支給していない。ロ  A社においては,定期的に職務の内容及び勤務地の変更がある通常の労働者の総合職であるXは,管理職となるためのキャリアコースの一環として,新卒採用後の数年間,店舗等において,職務の内容及び配置に変更のない短時間労働者であるYの助言を受けながら,Yと同様の定型的な業務に従事している。A社はXに対し,キャリアコースの一環として従事させている定型的な業務における能力又は経験に応じることなく,Yに比べ基本給を高く支給している。ハ  A社においては,同一の職場で同一の業務に従事している有期雇用労働者であるXとYのうち,能力又は経験が一定の水準を満たしたYを定期的に職務の内容及び勤務地に変更がある通常の労働者として登用し,その後,職務の内容や勤務地に変更があることを理由に,Xに比べ基本給を高く支給している。32者と同一の能力又は経験を有する短時間・有期雇用労働者には,能力又は経験に応じた部分につき,通常の労働者と同一の基本給を支給しなければならない。また,能力又は経験に一定の相違がある場合においては,その相違に応じた基本給を支給しなければならない。 基本給について,労働者の能力又は経験に応じて支給しているA社において,通常の労働者であるXが有期雇用労働者であるYに比べて多くの経験を有することを理由として,Xに対し,Yよりも基本給を高く支給しているが,Xのこれまでの経験はXの現ニ  A社においては,同一の能力又は経験を有する通常の労働者であるXと短時間労働者であるYがいるが,XとYに共通して適用される基準を設定し,就業の時間帯や就業日が日曜日,土曜日又は国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日(以下「土日祝日」という。)か否か等の違いにより,時間当たりの基本給に差を設けている。問題とならない例問題となる例

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