viはしがき者不明土地問題の解決という実質を取る観点から,各改正項目で積極果敢なルール変更・制度創設が行われています。4 本書の執筆動機とコンセプト 私は,これまで弁護士として所有者不明土地問題の現場で問題に取り組み,また,日本弁護士連合会の所有者不明土地問題等に関するワーキンググループの幹事として,今回の法改正の議論を丁寧にフォローしてきた自負があります(もっとも,本書が同団体の見解を述べるものではないことは言うまでもありません。)。 他方で,今回の改正は「所有者不明土地問題の解決」に資する重要な改正であると感じる反面,所有者不明土地問題以外の分野にも少なからず影響があるのではないかと感じています。 そこで,1人でも多くの実務家の方(特に所有者不明土地問題が専門ではない実務家の方)に今回の法改正を理解していただき,今後の実務対応が広く議論されるための踏み台になることを願い,浅学非才の私が筆を執った次第です。 以上を踏まえ,本書では,「どうすれば,実務家の方が短時間で効率的に今回の改正の要点を理解し,実務対応を検討できるか」を至上命題に置いています。具体的な本書の構成については,「本書の構成と読み方」として項を改めて説明していますので,そちらをご参照ください。 令和3年5月荒 井 達 也
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