第1章総 論1 所有者不明土地問題と民法・不動産登記法の問題 近年,土地の所有者が死亡しても相続登記がされないことなどを原因として,不動産登記簿により所有者が直ちに判明せず,又は判明しても連絡がつかない,いわゆる「所有者不明土地」が増加し,土地の利用が阻害されるなどの問題が生じています(具体的な問題状況は,Q3~8)。 民事基本法制との関係では,以下のように,⑴所有者探索の負担及び⑵所有者不明土地の利用・管理の支障の観点から,民法・不動産登記法等に問題があると考えられていました。⑴ 所有者探索の負担――不動産登記法の問題 所有者不明土地を利用又は取得するためには,土地の所有者を探索しな制との関係では⑴所有者探索の負担及び⑵所有者不明土地の利用・管理の支障の観点から,民法・不動産登記法等の問題が指摘されていました。そこで,令和3年に,民法・不動産登記法等の改正が行われました。1 1.法改正の経緯 今回,民法・不動産登記法を見直すことになったのは,なぜですか。A. 近年,所有者不明土地問題が深刻化していますが,民事基本法1.法改正の経緯Q1解 説
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