Q民不
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201第4 3.遺産分割に関する規律の見直しれます(部会資料42・8頁)。 他方で,事案にもよりますが,単に病気療養中や海外勤務中といった事情があるだけでは,直ちに,やむを得ない事由は認められないと考えられます(部会第17回会議〔脇村真治関係官発言〕及び部会第21回会議〔脇村真治関係官発言〕参照)。ウ 「やむを得ない事由」の基準時 なお,「やむを得ない事由」は,相続開始の時から始まる10年の期間の満了前6か月以内の間に存在することが必要とされます(改正後民法904条の3第2号参照)。これは,時効の完成猶予制度(民法158条以下参照)を参考にしたもので,やむを得ない事由が消滅した時から6か月間の準備期間を確保する趣旨です(部会資料42・7頁)。【図】例外的規律のイメージ(著者作成)⑶ 遡及適用 具体的相続分の期間制限(改正後民法第904条の3)は,施行日前に相続が開始した遺産の分割についても遡及適用されます。この場合,いつの時点から寄与分等の利益が失われるかが問題となりますが,経過措置では,①相続開始の時から10年を経過する時又は②施行の時から5年を経過する時のいずれか遅い時までとされています(改正法附則3条)(Q12も参照)。やむを得ない事由6か月10年家裁への請求期限存在消滅6か月相続開始

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