第12章1 特別養子縁組に関する令和元年民法等改正の経緯2471 特別養子縁組に関する令和元年民法等改正の経緯1)実方の血族との親族関係が終了する縁組をいう。民法817条の2第1項2) 山口敦士・倉重龍輔編著『一問一答 令和元年民法等改正 特別養子制度の見直し』(商事法務,2020年)2頁。法文に目的規定は置かれていない。3) 特別養子を中心とした養子制度の在り方に関する研究会「特別養子を中心とした養子制度の在り方に関する研究会中間報告書」(公益社団法人商事法務研究会,2018年)4頁4)年齢を超過すれば縁組は認められない(広島家審昭和63年3月12日家月40巻7号192頁)。⑴ 特別養子縁組の内容 特別養子縁組1)に関する法制度は,家庭に恵まれない子に温かい家庭を提供してその健全な成長を図ることを目的として,2)昭和62年の民法等の一部を改正する法律(昭和62年法律第101号)により創設され,同法は昭和63年1月1日から施行された。特別養子縁組は,専ら養子となる者の利益を図ることを目的として創設された制度であり,普通養子縁組に比し,実親子関係に比肩し得るような強固で安定した法的枠組みを与えるものである。3) 具体的にみると,特別養子縁組は,普通養子縁組と以下の差異があるものとされてきた。① 養親・養子の年齢につき,養親となる者の一方は25歳に,他方は20歳に達している必要があり(民法817条の4),養子となる者の年齢は,原則として請求の時に6歳未満であり,例外として8歳未満であって6歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されていること4)(令和元年法律第34号による改正前の民法817条の5)今 井 弘 晃令和元年改正法に基づく 特別養子縁組の審判事件
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