弁起案
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第2編・第1章 意思表示の瑕疵に関する事件(訴状起案)30かったですねととりなす場面がありました。ほかに,以前は,自分で庭の作業をするための倉庫を建てたことがあるという話も聞きましたが,世間話です。 すでに条件も決まっていたので,条件について話すこともありませんでしたので,私が「そろそろ失礼します。」と切り出し,その日は帰りました。15 甲野 それで契約自体はスムーズに締結されたのですか。夏子 いいえ。10月18日に解散した後,その日のうちに,新令和不動産の長沢さんから,売主が,契約締結日を10月24日にしたいと言っていると連絡が入り,私たちもこれに同意して,10月24日に契約することになったのですが,10月23日の午前中に長沢さんから携帯電話に着信があったことに気が付き,折り返すと,契約について重大な変更があるので説明に来たいということでした。 了承すると,長沢さんが新令和不動産の支店長と一緒に来て,渋沢さんから現況測量図2(資料9)の③の南側三角地を買わないかという打診が来たと言われました。私は,三角地までは買えないので,長沢さんに断ってほしいと伝えました。 その後,同じ日にまた長沢さんから電話があり,今度は,新しく建てる家の配置を聞かれました。私はまだハウスメーカーも決まっていないので返答に困っていると,長沢さんが「一般論としては,家は通常南側を空けることが多い」と言ったので,私は長沢さんに,ハウスメーカーに相談もしていないのでこれから決めることを念押しするように頼んだうえで,確定的なことは言えないが,たぶん南側に庭を設けると思う,と渋沢さんに伝えてもらいました。 それから契約の予定日だった10月24日の午後に,新令和不動産の大宮支店で,突然,長沢さんから,渋沢さんの気が変わって別の方に売ることになったと聞かされました。私は,母が大宮に住みたがっていることもあり,なぜ気が変わったのか,同じ時間に別の部屋で待機しているという渋沢さんに聞いてもらうことにしました。 すると,新たに購入を希望している方は,南側三角地も買うし,家もそのまま使うから,解体費用がいらないからと言われました。 私は,その方と同じ条件を一度は先に購入申込みをした私たちに提示するのが筋ではないかと申し入れました。その結果,同じ条件なら私たちに売ってもよいということになり,具体的には1億円で現況渡し,解体費用は買主負担との条件が提示されました。 私たちは,急にそのようなことを言われ大変困惑しましたが,その場で決めることできないので,その日は一度帰宅することにして考えさせてもらうことにしました。16 甲野 その時,売主から新しく出された条件はそれだけですか。夏子 それ以外には何ら条件は示されませんでした。 それで,家に帰って夫も含め三人で相談しましたが,母は,大宮に住みたいと言っておりましたし,適当な大きさの土地が次にいつ出てくるか分からないこともあり,条件を飲むことに決め,長沢さんに売主側に伝えてもらうように頼みました。17 甲野 契約書の調印は10月27日になっていますね。調印は27日ですか。夏子 はい,条件をのむという返事をしてもらう時に,契約の希望日を27日と伝えて

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