(相続財産法人の成立)第951条 相続人のあることが明らかでないときは,相続財産は,法人とす235第6章 相続人の不存在╱第951条(相続財産法人の成立)959条〜相続人の不存在951条《参照》旧民1051条 戸籍上の相続人は存在するが,その全員が相続欠格や廃除,相続放棄にる。1 戸籍上の相続人が存在しないことが明らかである場合第6章 相続人の不存在【前注】 952条以下に規定される「相続財産の管理人」は,令和3年改正(同年法律24号。令和5年4月1日施行)によって,「相続財産の清算人」に変更される。しかし,本書刊行の時点では改正法が未施行であり,また,「相続財産の管理人(清算人)」と逐一併記するのもかえって煩瑣と思われるため,以下の解説では,原則として「相続財産の管理人」と記述する。改正法施行後には,管理人を清算人に読み替えていただければ幸甚である。Ⅰ 本条の趣旨 被相続人が死亡すると,相続財産は相続人に承継される。しかし,相続人の存否が不明の場合には,相続財産が帰属先を失い,無主の財産となる。このような事態を回避するため,民法は,相続財産を法人と擬制し,相続財産管理人を選任して相続人を捜索させるとともに,相続財産の管理・清算を行う。これらのうち,本条は,相続財産法人の成立について規定する。Ⅱ 「相続人のあることが明らかでないとき」 「相続人のあることが明らかでないとき」とは,相続開始時を基準として,相続人の存否が不明である場合をいう(以下「成立要件」という)。具体的には,以下の場合をいう(その他の詳細は,新基本コメ相続165~166頁〔副田隆重〕,新注民⒆694~697頁〔常岡史子〕,能見=加藤271~272頁〔足立文美恵〕)。
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