デジ遺品第二版
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201 昨今、「終活」という言葉が当たり前に使われるようになりました。万が一のときに備えて、自分の身の回りのものを整理したり、財産を棚卸したり、周囲の大切な人たちに伝えるべきことを伝えたり――そうした行為の大切さが広く知られるようになってきたと実感します。 しかし、終活を実践する人はまだそれほど多くないと言われています。終活の代表的な道具である「エンディングノート」は書店の一角を占めるほどの存在になっていますが、20年以上前から遺品整理サービスを営んでいる経営者の方は「現場で見かけることはほとんどありません」と話していました。同様の話を他の同業者の方や医療関係者の方から聞きます。2024年現在も……。 エンディングノートは、自らの持ち物や人間関係、思いを整理するのにうってつけです。しかし、きちんと整理できるがゆえに、書き切るのに相当な労力を要します。終活全般も同じく、きちんとやりきろうと思うほどにハードルが上がります。ましてや、海の物とも山の物ともつかないデジタル資産(遺品)の終活となると、相当骨が折れそうです。 ですから、たった1分で構いません。 お手持ちの名刺や相当なカードサイズの紙を用意して、「スマホのスペアキー」を作ってください。それを大切なモノ入れ(財布や通帳等もおススメです。)などに保管しておくだけで十分「たった1分のデジタル終活で、助かる家族がいる」あとがき

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