1はじめに インターネットの普及やIT技術の劇的な進化などにより、もはや私たちの生活はパソコンやスマートフォン(以下、「スマホ」といいます。)なしでは成り立たない状況となりました。 デジタル化の進んだ現代社会は、これまででは考えられないような便利さを手に入れています。しかし一方で、パソコンやスマホのユーザー自身が亡くなってしまった際には、デジタル機器のログインパスワードが分からず開けない、ネット証券口座の有無が分からない等のトラブルが発生する不安が増しているのも事実です。 こうした状況を背景に、2015年頃から「デジタル終活」「デジタル遺品」という言葉がメディアに頻出するようになり、これから考えなければならない課題として認識されるようになってきました。2本書に込めた想い 昨今の終活ブームにより、死後の手続等をまとめた書籍は多く出版されていますが、「デジタル遺品」(パソコンやスマホ等のデジタル機器に保存されたデータやインターネットサービスのアカウント等を指す言葉。15頁参照)の対応方法をまとめた書籍等はまだ少なく、遺族がパソコンやスマホ等の処理に頭を抱えてしまうケースは少なくないものと思います。 本書は、大切なご家族が亡くなってしまったときに、いかにして「デジタル遺品」を探して、処理すべきか、を中心に解説v本書について(初版はしがき)
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