詐害行為
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【想定例17】【請求の趣旨(例)】1 受益者に対する請求1 Aと被告が令和3年4月1日に締結した別紙物件目録記載の土地についての贈与契約を取り消す2 被告は,別紙物件目録記載の土地について,○○法務局令和○年○月○日受付第○○号の所有権移転登記の抹消登記手続をせよ(3 訴訟費用の負担)との判決を求める。※ 抹消されるべき登記は,物件と登記の名称,受付年月日・受付番号によって特定し得るので,その点を主文で明らかにすれば足りると解されている。もっとも実際の訴訟では,登記目録を添付し,請求の趣旨でこれを指示する方法がとられることが多い。以上につき,司法研修所編『10訂民事判決起案の手引第1節 不動産譲渡行為102 債務者返還型の詐害行為取消訴訟の訴訟物,請求の趣旨,要件事実的理解の基本は,第1編第3章第2節第1及び第2記載のとおりである。以下のような例を想定した場合,具体的には次のような内容となる。 Aが所有していた土地を,令和3年4月1日,Bに対し贈与し,その旨の所有権移転登記もなされている。これによりAが無資力になったとして,令和2年10月1日にAに対し500万円を貸し付け,未だ返済を受けていない債権者Cが自らを原告,Bを被告として詐害行為取消訴訟を提起した。⑴ 訴訟物 一個説によった場合には,詐害行為取消権となる。これに対し,二個説によると,①贈与契約の取消しを求める形成権と,②所有権移転登記抹消登記請求権となる。⑵ 請求の趣旨 請求の趣旨は以下のようなものとなる。第3 要件事実的理解と訴状記載例

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