詐害行為
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【請求の趣旨(例)】第1節 不動産譲渡行為104旨の所有権移転登記がなされた。その後,令和3年8月1日,この土地はさらにBからCに時価相当額である3000万円で売却され,その旨の所有権移転登記手続も完了している。令和2年10月1日にAに対し500万円を貸し付け,未だ返済を受けていない債権者Dは,AB間の贈与によってAが無資力になったとして,自らを原告,Cを被告として詐害行為取消訴訟を提起した。⑴ 訴訟物 一個説によった場合には,詐害行為取消権となる。これに対し,二個説によると,①贈与契約の取消しを求める形成権と,②所有権移転登記請求権となる。⑵ 請求の趣旨 請求の趣旨は以下のようなものとなる。⑶ 請求の原因1 AとBが令和3年4月1日に締結した別紙物件目録記載の土地についての贈与契約を取り消す2 被告は,Aに対し,別紙物件目録記載の土地について,真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続をせよ(3 訴訟費用の負担)との判決を求める。1 原告は,Aに対し,令和2年10月1日,500万円を貸し付けた。2 Aは,令和3年4月1日当時,別紙物件目録記載の土地(以下「本件土地」という。)を所有していた。3 Aは,Bに対し,同日,本件土地を贈与した。4 Aは,Bに対し,令和○年○月○日,本件土地につき,上記贈与に基づき,所有権移転登記手続をした。5 Bは,被告に対し,令和3年8月1日,本件土地を代金3000万円で売却した。6 Bは,被告に対し,令和○年○月○日,本件土地につき,上記売買に基づき,所有権移転登記手続をした。7 Aには,3の当時,本件土地以外にみるべき資産がなかった。

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