詐害行為
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第1節 不動産譲渡行為あっても通謀による虚偽表示である。)の可能性を検討し,債務者の所有権に基づく妨害排除請求権の行使として移転登記の抹消登記手続を求める訴訟を提起し,(注3)それと併せて詐害行為取消訴訟を併合提起することが考えられる。あるいは所有権に基づく抹消登記手続訴訟を先行させ,被告から真正売買である旨の主張,立証(売買契約書等の提出)がなされた後に,これを検討した上で詐害行為取消訴訟を提起することも考えられる。 被告の立証の内容を見た上で新たな請求を考えるという模索的な訴訟活動となり,本来であれば好ましいことではないが,債務者の行為について他人である債権者が取消権を行使するという詐害行為取消訴訟においては,止むを得ない場合があり,債務者の不動産売買のケースもその一場面と思料される。108(注3) この場合,所有権に基づき受益者名義の登記の抹消を求める権利を有するのは,本来,所有者である債務者であるので,債権者が当然に訴訟提起をすることは許されない。そこで,債権者が債務者に代わって抹消登記請求を求めるためには,民法423条の債権者代位訴訟の形式をとることが必要となる。 詐害行為取消訴訟において原告の請求が認容され確定した場合には,その確定判決に基づき,取消債権者が法務局において抹消登記手続ないし移転登記手続をとることになる。登記申請手続は本来,登記権利者と登記義務者による共同申請が原則(不登60条)であるが,詐害行為取消認容確定判決があれば,不動産登記法63条及び59条7号に基づき取消債権者単独での登記申請手続が可能となる。 すなわち,民事執行法177条1項に基づき登記義務者である受益者・転得者(取消訴訟の被告)の意思表示が取消認容判決の確定によって擬制される。そこで,登記義務者である受益者・転得者の協力を得ることなく登記申請が可能となる。その上で,登記権利者は本来は債務者であるが,詐害行為取消認容確定判決があれば,取消債権者が債務者に代位して,登記申請ができる第5 判決確定後の手続

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