図表2 外来語の調査結果(数値は[国民全体╱60歳以上]で表示)認知率 %理解率 %使用率 %言い換え案2章 公用文改革の歴史〜単語への注目〜 こういった流れに乗って,全国27の自治体は言い換え例のマニュアルを作成したとある。なお,記事では,「漢語,文語,命令調に慣れている中堅以上の職員は積極的でない」と公用文改革の阻害要因にも触れており興味深い。 また,行政用語だけに留まらず議会用語も問題視され,1988年には宇都宮市議会編で『わかりやすい議会用語─言葉の行革マニュアル』が出版された(朝日新聞1988年09月29日栃木版)。ここでは,市民にはなじみにくい議会用語を親しみやすい言葉に書き換える提案を行っている。 2000年代には,外来語を問題視する小泉総理大臣の発言が話題になった。それに連動する形で国立国語研究所「外来語」委員会が日本人の外来語理解率などを調査し,176語について言い換え提案を行っている。2) ここで議論された外来語とはどれも専門用語のことであり,「言葉の行革」で紹介した一連の言葉とは質的に異なる。専門用語は専門家間では非常に伝達効率が高いが,一般人には理解できないものも多い。 2007年から2009年にかけて行われた国立国語研究所の調査では,「バックオフィス」,「アウトソーシング」の認知率等は以下のようになっている。 もう少し他の例も示そう。「ガイドライン」,「アセスメント」,「ガバナンス」,「アウトソーシング」,「コミュニティ」,「コンソーシアム」,バックオフィス18.1 ╱ 9.97.8 ╱ 5.03.4 ╱ 1.1事務管理部門(出典)国立国語研究所「外来語定着度調査」アウトソーシング30.8 ╱ 13.614.2 ╱ 6.88.2 ╱ 4.7外部委託9「外来語」言い換え提案(2000年代)
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