*12 「同居」にもいろいろなパターンがあるので確認が必要です。*13 相談者が74歳なら長男は働き盛り。とすれば、相談者の世話をするのは長男の嫁になるのではないかとか、相談者の健康状態では孫の世話はできないだろうとか、いろいろ尋ねたいところですが、スルーして先を促します。*14 堰を切ったように話す相談者を止めるのは難しいですが、その中から必要な情報を抽出します。*15 一度、長男の嫁の立場に立って考えてみます。*16 どうやら、この相談が遺言に関連しているらしいと理解できました。ただし、「お友だち」がどんな人なのか不明です。相談者 ええ。長男はやさしい子で、動けなくなったら同居しようといってくれてるんです。弁護士 それは素晴らしい。同居というと、「家族と一緒にご実家に帰ってくる」ということなんです相談者 はい。弁護士 いまどき、いい話じゃないです相談者 それが……。弁護士 何か、問題が?相談者 実は、お恥ずかしい話なんですが、長男の結婚のときに両家の間でひと悶着ありまして……。実は、お父さんが酔ったはずみで、先方のご両親にとても失礼なことをいってしまったんです。私は「やめて」といったんですけれど。お父さん、お酒が入ると止まらなくなるんですよ。それ以来、両家がぎくしゃくしてしまって。で、あちらのご両親は主人の葬儀にも来られませんでした。最近でこそ、嫁はうちに来てくれるようになりましたが、パートしながらお母さんの面倒をみているし、向こうのお父さんも認知症になっ弁護士 なるほど。ご長男の奥さんのことを気にされているんですね。たしかに、ご長男の奥さんの立場になれば、これまでのいきさつもあるし、ご自身の親御さんに、姑と同居しますとは言いにくいかもしれません相談者 そうなんです。それで、お友だちに相談してみたら、「いっそ自宅を長男にあげてしまうか、遺言書を書いて長男に継がせると決めておいたほうがいいんじゃないの」といわれまし弁護士 ほう。*14て……。*12か?*13か。*16て。第1章 法律相談の具体例*15ね。3
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