握する。遺言や相続のことについて説明することになります。4 親の責任もっとも、同居の子と非同居の子の仲がうまくいかなくなる原因の一つは親の言動です。加齢によって心細くなった高齢の親は、多かれ少なかれ、子に対して愚痴をこぼし、他の子に対する不満を漏らして、自分の寂しさを理解してもらおうとしがちです。その子らがみな親元を離れているなら親の愚痴を冷静に受け止められますが、同居の子がいる場合には、しばしば問題がこじれます。というのも、不安が嵩じた高齢の親は、非同居の子に対して、同居の子に食事をさせてもらっていない、通帳を取り上げられた、現金を盗まれた、財産を狙われているといった不満を口にするからです。もちろん、それは事実ではなく、親にとっては、自分を大切にしてほしいと思うあまり口をついて出た他愛もない話かもしれません(あるいは認知症による思い込みかもしれません)。しかし、非同居の子はこれを看過できません。兄に任せておけば大丈夫と思っていたのに、そんなことが起きているのか、兄は兄嫁のせいで人格が変わってしまったのか、といった疑いが生まれます。そして、いったん生まれた疑いは増幅されます(疑心暗鬼を生ず)。しかも、こうした親に限って、他方で同居の子(夫婦)に対しては、非同居の子はまったく帰ってこないし頼りにならない、もともと情の薄い子だった、私の財産はおまえに継いでもらいたいなどと口走るのです。罪の意識はないのでしょうが、これでは「憎みあえ」といっているようなものです。さらに、子らに対して、「この家をどちらに継いでもらうか悩んでいる」とか「ご先祖様のことを思えば」と迷う素振りを見せ、わざわざ預貯金を引き出して現金を見せびらかすといった行動をとる方もおられますが、それも確実に相続紛争の導火線になります。したがって、相談者に対して、やがて年をとると誰でもそういう言動をとりやすいので注意してくださいと申し上げます。相続紛争の原因になるような言動を控えることは、親としての最後の務めだと思うのです。34三行要約★ 相談内容が要領を得ないときは、いくつかの確認事項を通じて相談者の状況を掌
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