1 本書の初版である「入管法大全I逐条解説」が刊行された平成27年(2015年)から,ほぼ10年が経過した。 本書の初版は,入管法の全体像を明らかにすることを目指して,可能な限り客観的資料に基づいて,かつ,可能な限り詳細に入管法制を記述した書籍として「入管法大全II在留資格」とともに刊行されたが,初版刊行後約10年を経過する間に,入管法制そのものが大きく変化した。 平成30年法律第102号による改正では,1条の目的規定も改正され,法務省設置法も改正されて入管行政を担当する新たな組織として出入国在留管理庁が設置された。また,この改正で,外国人により不足する人材の確保を図る目的を有する制度として特定技能制度が新設された。さらに,令和5年法律第56号による改正では,在留特別許可手続及び退去強制令書の執行手続を含め退去強制手続及び難民認定手続が大幅に改正され,補完的保護対象者の認定制度が創設された。 また,平成28年(2016年)には,関連する法律として「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が制定され,本書も「入管関係法大全」という題名に変更されて,本書と同時に刊行された「入管法大全II在留資格」は,令和3年(2021年)に「入管関係法大全2在留資格」として第2版が刊行されるとともに,令和4年(2022年)には,「入管関係法大全3技能実習法,4特定技能」が刊行された。 しかし,令和6年(2024年)には,この「技能実習法」も同年法律第60号により大幅に改正され,題名も「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」(育成就労法)に改められた。この令和6年法律第60号は,入管法も改正し,そのうち,特定技能制度に関する規定の一部は既に施行されている。 そこで,本書も,この令和6年法律第60号による改正のうちの施行されている部分を含めて,本書の初版刊行後の入管法の改正を網羅してアップデー第2版 はしがき第2版 はしがき
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