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6基本方針が定められ,「法務省において外国人の受入れ環境の整備に関する企画及び立案並びに総合調整を行う」,「その司令塔的機能の下,関係府省が連携を強化し,地方公共団体とも協力しつつ,外国人の受入れ環境の整備を効果的・効率的に進める」とされていたのであるが,この役割を出入国在留管理庁が担うことができるようにしたものである。第1章 総 則2 解 説⑴ 「本邦に入国し,又は本邦から出国する」 「本邦」は,我が国の領域を意味し,領土(陸域),領海,領空全てを含む。 入管法は,本邦への「上陸」と本邦への「入国」を使い分けているが(第2章第1節,第2章第2節),上陸が我が国の領土への立ち入りを意味するのに対し,本邦への入国・本邦からの出国は領海,領空を含めた領域へ入ること,出ることを意味する。⑵ 「全ての人の出入国⋯の公正な管理」 出入国管理は,外国人のみならず日本人も含めた全ての自然人の出入国の管理を目的とする。もっとも,日本人の出入国管理に関する規定は第7章のみであり,ほとんどの規定は外国人の出入国に関する規定である。 出入国管理は,入国・上陸の管理と,出国(退去強制を含む。)の管理という入口と出口の管理を意味する。 外国人の入国を認めるか否かは,それぞれの国家の主権の行使に属するものであり,外国人は我が国に入国する権利を有するものではないが,外国人の権利保護に配慮しつつ,恣意的ではなく公正な管理を行うことが求められている。⑶ 「本邦に在留する全ての外国人の在留の公正な管理」 平成30年法律第102号による改正で加わった規定である。 同改正前は,本邦に在留する外国人の在留の管理は,出入国の管理に含まれるものと解されていたが,同改正で,入管法の目的として明示された。 このような改正が行われたのは,在留外国人の増加,特に中長期在留者(「中長期在留者」については,19条の3の解説を参照。)の増加とその通算の在留期間の長期化及び在留活動(本書において,本邦に在留する外国人が,その在留の目的

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