競業避止
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2 日本国憲法82条第2■不正競争に関する法Commentary     退職後の従業員等の行為を制限しようとする場合や裁判においてA営業秘密を保護しようとする場合が考えられる。 不正競争に際しては,会社の営業の自由(憲22条1項)と従業員等の職業選択の自由(憲22条1項)とが対立する場面が生じる。 例えば,従業員等の退職後の行為を制約しようとする競業避止義務又は秘密保持義務については,当該義務を課すことによって営業の自由が保護される利益と,職業選択の自由が侵害されることによって被る従業員等の不利益を十分に考慮しながら判断することが必要であると考えられる。 日本国憲法(以下,「憲法」という。)82条1項は,「裁判の対審及び判決は,公開法廷でこれを行ふ。」と規定し,裁判の公開を原則としている。 もっとも,例えば,営業秘密については公開の法廷で明らかになってしまうことの不利益が著しい。 そのため,このような場合には,憲法82条との関係性が問題になる。解説 1 日本国憲法22条1項 不正競争に関し,日本国憲法が関係する場合は主にどのような場合か。第2 不正競争に関する法402

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