Commentary解説 1 政府による副業・兼業の促進活動 従業員の副業・兼業禁止と競業避止義務はどのような関係にあるか。 原則として副業・兼業に関する不当な制限は許されないと考えらA もっとも,競業行為に該当する場合には,使用者の正当な利益を保護する範囲で,副業・兼業を制限することができると考えられる。れる。 近年,政府は,副業・兼業の活用を促進している。 例えば,平成29年3月には,「働き方改革実行計画(概要)」が出されるとともに,中小企業庁経営支援部創業・新事業促進課と経済産業政策局産業人材政策室が連名で,「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する調査事業研究会提言~パラレルキャリア・ジャパンを目指して~」という提言を出している。 当該提言の「おわりに」には,「兼業・副業の促進は,場所,時間,雇用形態にとらわれない柔軟かつ多様な働き方の実現に向けた第一歩である。誰もが希望すれば,複数の地域で,複数の仕事をすることができる社会になれば,その中の一つとして,自分自身で創業する可能性は高まり,開業率の増加にもつながる。そこでの創業は,単に収入を得ることが目的ではなく,社会貢献・地域貢献や趣味や文化活動の展開など,多様な価値観に基づく自己実現への取組となる。」,「国が兼業・副業の促進を図ることで,パラレルキャリアを望む者を初め,兼業・副業を通じて創業等を実現したいと考えている者の創出及びその創出を促進する民間事業者等を応援する社会(パラレルキャリア・ジャパン)を目指していく。」等と記載されている。第1節 在職中・在任中の競業避止義務 ╱ Q61306
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