競業避止
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2 兼業・副業に関する届出第14章 副業・兼業(副業・兼業)第68条 労働者は,勤務時間外において,他の会社等の業務に従事することができる。2 会社は,労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき,当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には,これを禁止又は制限することができる。① 労務提供上の支障がある場合② 企業秘密が漏洩する場合③ 会社の名誉や信用を損なう行為や,信頼関係を破壊する行為がある場④ 競業により,企業の利益を害する場合合第1章 競業避止義務18 なお,「① 労務提供上の支障がある場合」とは,「副業・兼業が原因で自社の業務が十分に行えない場合や,長時間労働など労働者の健康に影響が生じるおそれがある場合,労基法第36条第6項第2号及び第3号に基づく時間外労働の上限規制(時間外労働及び休日労働の合計の時間数について,1か月100時間未満及び2~6か月平均80時間以内とすること)や自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号)等の法令等に基づく使用者の義務が果たせないおそれがある場合」(厚生労働省「モデル就業規則」88頁,令和3年4月版)が含まれるとされている。⑴ 労働者からの事前の届出 厚生労働省モデル就業規則によれば,兼業・副業を行うにあたり,労働者からの事前の届出を行うことが前提になっている。 使用者が健康安全配慮義務を負っており,労働者の労働時間が過労等になっていないかどうかや,秘密情報の漏洩等が生じないかどうかを把握しておく必要があること等からすれば,当然のことといえる。 また,副業・兼業ガイドラインにおいては,兼業・副業の内容を確認した結果,その内容に問題がない場合は,兼業・副業の開始前に労使で

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