推薦のことば 我が国において,不動産登記制度に則した土地には,総じて「地目」が登記事項とされており,その登記情報には「地目」の情報が記載されている。 また,不動産登記規則第99条において「地目」は土地の主たる用途により,23種類の区分によると規定されるとともに,不動産登記事務取扱手続準則第68条にて各々の「地目」の定義が設けられ,さらに同準則第69条には「地目」の認定基準が示されている。これら「地目」の情報は,不動産たる土地の利用状況あるいは用途を発信する物理的情報として不動産取引等の場面において大いに活用されてきたことは紛れもない事実と言える。 そして,全国で15,650名(令和5年4月1日現在)が業務を遂行している土地家屋調査士は,不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として,土地家屋調査士制度の創設期から63年間,日々「地目」と真正面から向き合い,現地確認能力と現地特定能力の研鑽に努めるとともに,「地目」を見極める眼力を養い続けてきたところである。 さて本書は,「地目」を不動産登記という切り口から深掘りした解説はもとより,その分野のみに留まることなく,土地に関する基本的な法令との関係及び土地の規制に関する諸法令との関連性,さらには土地におよぶ権利との関わり,課税との連動にまで詳細なQ&Aが展開されている。私の知る限り,これらの視点から「地目」を分析するに至る図書との出会いは初めてであり,「地目」という二文字が放つ独特な光沢に改めて気付きと驚きを感じたところである。 ここに,土地家屋調査士,司法書士といった不動産登記の実務家のみならず,本書を手にした全ての人々を興味深き「地目」の世界へ誘ってくれることをお約束して,本書を強く推薦する。 令和5年9月日本土地家屋調査士会連合会会長 岡 田 潤一郎i推薦のことば
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