推薦のことば 令和元年法律第29号によって司法書士法が改正され,「登記,供託,訴訟その他の法律事務の専門家として,国民の権利を擁護し,もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与する」と,司法書士の使命が明定された。さらに,令和2年法律第12号によって土地基本法が改正され,「その所有する土地に関する登記手続その他の権利関係の明確化のための措置及び当該土地の所有権の境界の明確化のための措置を適切に講ずるように努めなければならない」と,土地所有者等の責務が定められた。司法書士は,相続登記や,各種財産管理人等に関する手続などを通じて,これまで国民の代理人等として権利の擁護や明確化の役割を果たしてきたが,その使命を果たすためには,従来の役割とともに,国民が土地に関する責務を果たすことができるための支援,所有者不明土地問題の予防と解消のための支援をする役割も果たすべきであると考える。 さて,本書は,「地目」から説き起こしているが,単に不動産登記法の「地目」にこだわらず,土地法制全体の中で,各々属性の土地の位置づけについても幅広く言及している。法令によって土地の利用等にはどのような規制が設けられているのか,法令によって土地の権利関係にはどのような制限が設けられているのかについてである。 前述した司法書士の役割を十全に果たすためには,不動産登記法にとどまらず,土地基本法,農地法,都市計画法など土地に関する様々な法律の理解を理解し,その土地の規制・権利等に関する知識を研鑽することが必要となる。 本書は,そのために必要とされる,土地の規制・権利に関する法制度の全般を解説したものであり,不動産登記,そして土地に関する専門職である司法書士は,それらの知識を身に着け,実務において活用すべきであると考えiii推薦のことば
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