第33章財産分与第1 金銭支払条項例3─1 金銭支払─指定口座への入金25条項例3─1【入金先がゆうちょ銀行の口座の場合】 甲は,乙に対し,……ゆうちょ銀行の乙名義の通常貯金口座(記号●,番号●,他行からの振込みの場合,店名●,普通預金口座,口座番号●●)に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。 甲は,乙に対し,財産分与として●万円を,令和●年●月末日限り,乙名義の●銀行●支店の普通預金口座(口座番号●●)に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。 この条項例は,財産分与として金銭を一括して支払う,支払方法は銀口座へ入金する方法を取ったもので,裁判手続でも規定される一般的な記載です。財産分与は,夫婦に内在していた権利義務の顕在化であることから,支払義務を確認する旨の文言は不要です。 入金先の口座を,「乙の指定する口座」とのみ記載するケースも見受けられますが,その記載の場合,合意後に当事者間のやり取りが生じます。なるだけ当事者間でのやり取りを避ける(ひいては無用の紛争を避ける。)ことを企図するのであれば,事後で連絡した方が都合がよい事情がない限り,始めから具体的な口座情報を明記しておくことが望ましいといえます。解 説
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