27条項例3─4 財産分与としての支払につき,分割払いにて合意する場合の条項例となります。 総額の確認と,具体的な支払をいつまでに行うのかを明記することになります。事案によっては,初回にまとまった金額を支払うこともあれば,毎月定額で初回あるいは最終回のみ端数を処理することもあります。また,総額の多寡や義務者の支払能力によっては長期分割となり,その間に子が成人し養育費として支払っていた相当額を財産分与の支払に回すことができるようになるといった事情も生じるでしょう。それぞれの事案に合わせて前記⑴⑵を組み合わせて定めることが有用です。 なお,分割の場合は次項に懈怠約款を入れるのかどうか,入れるとした場合に期限の利益を喪失する条件(遅滞の回数や金額)をどうするか,事案によって検討する必要があります。条項例3─4 金銭支払─当事者死亡までの扶養 甲は,乙に対し,財産分与として,令和●年から当事者の一方が死亡した日の属する月まで,毎月●万円を,毎月末日限り,乙名義の●銀行●支店の普通預金口座(口座番号●)に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。 この条項例は,合意後,当事者の一方が死亡するときまで金銭の支払を約束するものです。期間を終身とした場合,財産分与の性質としては扶養的要素が強調されることになります。 扶養的要素は,離婚後の権利者の生活保障を基礎とするものですので,婚姻期間,再婚可能性,当事者の年齢,有責性等諸般の事情を考慮して,不合理な取決めとならないよう注意が必要です。解 説解 説
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