67条項例4─3 事情変更の際の変更可能性─基本1 (条項例4─1の条項)2 甲及び乙は,物価の高騰,当事者双方の経済状況,その他の事情の変更があった場合には,前項の養育費の額及び支払終期について改めて協議する。 この条項例は,合意成立以降に,養育費の金額に影響を及ぼす事情の変更が生じた場合,養育費の金額等について変更できる場合があることを定める場合のサンプルです。養育費の合意内容は,元夫婦間の合意により変更することが可能です。しかしながら,権利者側は養育費の減額に,義務者側は養育費の増額に対して消極的な姿勢を示すことが多いといえます。本条項例は,養育費の増減について,事後的な変更可能性を明記することで,養育費の変更協議を持ちかけること自体による紛争の防止を目的としています。養育費の変更理由としては,物価の変動のような社会的な理由のほか,義務者の収入の大幅な減少,権利者の収入の大幅な増加や,義務者の再婚及び再婚相手との子が生まれることによる扶養家族の増加,権利者の再婚相手が子と養子縁組を結ぶことなどが考えられます。 なお,本条項を明記していなかったとしても,養育費の減額(増額)調停(審判)において,事情の変更が認められる場合には,養育費の減額(増額)が認められることがあります。事情の変更が認められるためには,個別の事情を考慮する必要があるため,一義的な基準はありませんが,当該事情が合意当時に予見できた内容であるか,収入の増減の場合は,その増減の程度(3割ほどの増減が一つの目安となります。)に注目することになります。変更の合意をした場合には,その合意内容を改めて書面化すべきでしょう。条項例4─3解 説
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