離契
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118 この条項例は,例えば「甲=乙の夫」,「乙=不貞行為被害者(妻)」,「丙=不貞行為加害者(女性)」で,甲と丙が,不貞行為を行ったという場面を想定し,乙丙間で示談書(資料2参照)を交わし慰謝料を支払う場合に,丙が甲に対して有する求償権を事前に放棄するという場合のサンプルです。 不貞行為は,共同不法行為ですから,被害者(乙)は,甲及び丙のどちらの加害者を選択し,その選択したほう(ここでは丙)にのみ慰謝料の全額を請求することが可能です。 そして,丙は,乙に慰謝料を支払った後に,甲に対して,その責任割合部分(例えば50%)の額を請求することは可能です(求償権の行使)。 しかし,例えば,甲と乙が離婚に至ってはいない場合等では,財布が共通なことが多く,被害者側と加害者側でお金が循環するだけになり迂遠です。 そこで,予め,求償権を放棄する代わりに,本来の損害額よりも低い額で示談をするということがあり,そのような場合に使う条項例になります。解 説

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