離契
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142条項例9─2 内縁解消─慰謝料(パターン2)1 甲及び乙は,本日をもって内縁関係を解消すること及びその原因が甲の◯◯にあること(以下「本件」という。)について合意する。2 甲は,乙に対し,本件に関する慰謝料として,金◯万円を支払う義務があることを認め,令和◯年◯月◯日限り,乙の指定する金融機関の口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は,甲の負担とする。3 甲及び乙は,甲及び乙の間には,本和解書に定めるもののほかに,何らの債権債務関係が存在しないことを相互に確認する。 この条項例は,内縁解消に際し,甲に不貞行為や暴力等の原因があるため,甲が乙に慰謝料を支払うという事案を想定しています。 内縁とは,婚姻関係に準じる事実上の夫婦共同生活を送っている男女を指し,法律婚に準ずる法的な保護が与えられます。そのため,法律婚において慰謝料が発生する事実(不貞行為,暴力等)があれば,慰謝料が認められます。もっとも,裁判例では,内縁の場合,法律婚よりも慰謝料を低額に認定する傾向にありますので,その点も念頭において,慰謝料額を定めるのが良いでしょう。この条項例は,パターン1(条項例9─1)と異なり,内縁解消の具体的な原因とその責任の所在を明記しています。状況に応じて使い分けてください。条項例9─3 内縁解消─財産分与 甲は乙に対し,内縁解消に伴う財産分与として金◯万円の支払義務があることを認め,当該金員を令和◯年◯月◯日限り,乙の指定する口座に振り込む方法により支払う。振込手数料は甲の負担とする。解 説

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