離契
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143条項例9─4 この条項例は,内縁解消に際し,財産分与を行う場合を想定しています。 内縁とは,婚姻関係に準じる事実上の夫婦共同生活を送っている男女を指し,法律婚に準ずる法的な保護が与えられます。そのため,法律婚における財産分与と同様に,財産分与が認められます。もっとも,内縁が一方当事者の死亡によって消滅した場合には,財産分与の規定を準用できません(最一小決平12・3・10民集54巻3号1040頁)のでご注意ください。 財産分与の基準時は,婚姻関係に準じて,内縁当事者の経済的な協力関係が解消された時であり,通常は別居時になります。また,共有財産形成の始期については,婚姻日が戸籍から明確な法律婚と異なり,内縁の場合にはそれが曖昧ですので,同居の開始時を内縁関係成立時と解することが多いです(同居開始時を内縁関係の成立時と認定した裁判例として福岡高決平30・11・19家判25号53頁)。条項例9─4 内縁解消─接触禁止 甲及び乙は,正当な理由なく,手段のいかんを問わず,一切の連絡,接触をしないことを相互に約束する。 この条項例は,甲乙間の内縁関係の解消の際に,今後の互いの連絡,接触を禁止する場合のサンプルです。特に,DVなどがあった事案では,この文言を入れることがあります。 「正当な理由なく」という文言は,当事者間に未成年の子がいる場合などは,養育費についてなど,必要な連絡についても遮断する趣旨ではないことを示すために入れています。今後連絡の予定がない場合や接触を認めるような文言を入れることが危険である場合など,事案によっては,正当な理由のある場合は当然除かれるものと考えて,この文言は外しても構いません。実解 説解 説

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