事例でわかる 生前贈与の税務と法務
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〈図表67 従業員持株会を活用するスキームのイメージ〉オーナー① 会社の定款に株式の譲渡制限規定がない場合には譲渡制限規定を設け,自社株式が勝手に従業員から第三者に譲渡されるのを防ぐ。② 従業員持株会の規約を整備しておく。特に従業員が退職する場合には,持株会又はその指定する者へ持株を譲渡する旨の規定と買取価額の算定方法を明記することが必要である。従業員持株会企業支配に影響されない247ケース42 従業員持株会の活用による節税と福利厚生配当還元方式(譲渡又は贈与)自社株式(配当優先・議決権制限株式に転換)① 配当支払により財産形成等の援助となり,福利厚生対策となる。② 資金調達の一手法となる。③ 未公開会社が株式を公開する場合,安定株主として期待できる。④ 株主構成の改善や株式事務の合理化に有効である。⑤ 従業員のモチベーションを高めることができる。⑥ オーナーの事業承継に役立ち,相続税対策にも効果的である。(2)持株会のデメリット① 株主関係が悪化すると会社運営が混乱する可能性がある。② 公開へ向けた資本対策の制約条件となる可能性がある。③ 株式市場がないため換金性が乏しい。④  従業員持株会からオーナー一族が買い戻す場合,原則的な評価方法で買い戻さなければ贈与税の問題が生じる場合がある。(3)メリット,デメリットの検討 これらのメリット,デメリットをよく考慮したうえで実行するならば,事業承継するうえでの自社株式の生前移転(譲渡・贈与)としては,非常に効果的な方法といえよう。 次の手順で従業員持株制度を導入すると,経営権に影響なく,賢く自社株式移転の対策が実行できる。2 メリットとデメリットを検討する(1)持株会のメリット3 従業員持株会の設立の手順

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