ポイント ここで重要なことは,【聴取】の際は,とにかく「聴く」側に徹することである。 要求内容を十分に聴かずに相手の要求を不当クレームだと決めつけたり,事実関係の裏付けが十分とれていないのに組織としての回答を伝えてはいけない。顧客の主張が事実かどうかは,企業内でしっかり検討すべきである。第1章 状況別の対応方法ム対応においては極めて重要である。 【聴取】では主に,①事実関係の確認と,②要求内容の確認をすることになる(【聴取】について,詳細は第1編第2章2を参照)。① 事実関係の確認 相手方に対して,いつ,どこで,誰が,何を,なぜしたのか,どのようになったのか,5W1Hにより事実を確認することになる。相手方がお客様であっても,遠慮せず,しっかり聞く必要がある。むしろ,不当クレーマーは,会社側が「お客様」に対して遠慮して事実を細かく聞かないという点を利用するのであるから,遠慮していたらクレーマーの思うつぼである。② 要求内容の確認 顧客の要求の内容,要求する理由を聴かないと,企業側が顧客の要求に応じるべきかどうかを判断することが難しいため,要求の内容,理由を具体的に確認することが重要である。 クレームの電話が長時間にわたる場合,大抵顧客は従業員(顧客対応者)の話を聞かずひたすら怒り続けていると考えられる。どれだけ対応しても解決の糸口が見えない場合,時には,顧客との会話をきっぱり中断するのも効果的である。 電話でクレームを受けた際,最初は企業内で共有されたマニュアルに従い,対応してかまわない。誠意をもってお詫びし,事実関係を確認した上⑶ 長時間の電話への対応60
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