カスハラ
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厚労省カスハラマニュアルを踏まえ企業がやるべきこと第3編第2章 厚労省カスハラマニュアルについて□2 企業が独自のマニュアルを作成する必要性1451 厚労省カスハラマニュアルの位置づけ1 厚労省カスハラ指針において,企業がカスハラ対策に取り組むべきことが望ましい旨明記されたが,肝心の「企業が実際にどのように行動すべきか」については具体的な記載がなく,同指針だけでは各企業がカスハラ対策に取り組むにはハードルが高い状況にあった。また,同指針においてマニュアルを作成することが有効である旨記載されたが,肝心のマニュアルの内容についても記載がなかった。そこで,厚生労働省は,2021年度,カスハラ対策マニュアルの策定を進め,2022年2月25日,「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(以下「厚労省カスハラマニュアル」という。)を,リーフレット,周知・啓発ポスターとともに公表した。同マニュアルについては,厚生労働省のホームページ内からダウンロード可能である。2 企業が独自のマニュアルを作成する必要性2 厚労省カスハラマニュアルは50頁以上に及び,内容としてもマニュアルというよりは小冊子に近い。各企業としては,厚労省カスハラマニュアルを自社のマニュアルとしてそのまま使うことを想定していたかもしれないが,そのような内容にはなっていない。そもそも,パワハラやセクハラと異なり,カスハラにおいて全ての業種・業態に共通する「具体的なマニュアル」を作成することは不可能と言わざるを得ない。なぜならば,カスハラに関しては,業種・業態等によりその被害の実態や必要な対応も異なるため,マニュアルの内容も個別具体的に変更せざるを得ないからである。 この点,厚生労働省の第3回「顧客等からの著しい迷惑行為の防止対策の推進に係る関係省庁連携会議」(令和3年7月26日開催)議事要旨にも以下の記載がある。

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