業界別カスハラ対応ケーススタディ第4編ポイント・「モノ」へのクレームの場合には対応基準が設定しやすい。したがって,対応基準の破壊を行い,特別の対応を受けることがカスハラの目的となるため,その余地を可能な限り少なくすることが必要となる。・「ヒト」へのクレームに関しては,ひとまず謝罪でスクリーニングを行う。謝罪を行っても納得が得られない場合,それは「損害が発生していないのにクレームが継続されている」という状態である可能性が高いため,対応打切りの方向に動く。□2 小売業界のケーススタディ⑴ 初動対応177① A百貨店としてはどのように初動対応を行うべきか。② A百貨店はBから現物の提出を受け,調査を行った。その結果,商品に欠陥は見受けられなかった。また,メーカーに問い合わせたところ当該商品の耐用年数は3年とされていたが,Bが傘を購入したのは10年以上前であった。これらのことから,雨傘の破損は経年劣化によるものであり,交換基準には該当しないと判断してBに通知したが,Bは納得せず毎日のように架電を繰り返してくる。A百貨店としては,どのように対応を行うべきか。 前述したように,「モノ」へのクレームがあった場合には,現品の調査・確認が必須であり,かつ,それは方針確定に有効な手段である。した事例1「モノ」へのクレーム─商品の欠陥を指摘された場合 A百貨店のサポートダイヤルに,Bと名乗る人物から,「購入した雨傘が壊れた,不良品だと思うので交換してほしい」という連絡が入った。Bは怒りが抑えられないという様子であり,「普通の使い方をしているのに使えなくなるなんてありえない」,「すぐに対応しろ」と怒鳴り声を上げている。2 小売業界のケーススタディ2
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