どうやって 分けようか…?共 有 物 競売してお金に換えてから 分けるのよもと債務者は返済できなくなったときのために担保物を提供しているのですから,この担保物の実行には,前記⑴のような債務名義は不要となります。裁判などをする必要がないからです。⑶ 民法・商法その他の法律の規定による換価のための競売(形式的 不動産を共有している人たち(共有者や相続人)の間で,その共有物を分けようということになった場合,方法としては, 「共有者全員でまとまって共有物(物件)を売却して代金を公平に分配する。」ということがあるでしょう。しかし,必ずしもその共有者がみんな仲良しとは限りません。共有関係に争いがあるが共有物をお金に換えて配分したい,相続した財産を換価して分配したいが相続人間でもめている,等というときは全員で協力して不動産を売ることは難しいし,売却する価格も共有者や相続人間で話し合って決めることも難しいでしょう。でも,そんな人たちでも裁判所を使って不動産を売却すれば何も文句はないでしょう。このように,法律の規定で財産を金銭化する必要がある場合に利用される手続が「換価のための競売(形式的競売)」です。これは,金銭化のために競売の手続を形式的に利用するもので,権利を実現するための手続ではありませんが,民事執行の一種として規定されています。競売)52 民事執行の種類
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