1強制競売1⑴ 管 轄 強制競売の申立てをする裁判所は,目的不動産の所在地を管轄する地方裁判所となります(民執44条1項)。本案訴訟の管轄と異なることもあり,遠方の裁判所に申立てをすることになることもあり得るので,申立てをするたびに確認をするべきでしょう。 ただ,注意すべきは,「本庁統合」といって地方裁判所の支部には不動産執行部を置かず,本庁の不動産執行部,若しくは他の支部が管轄裁判所となっていることがあります。具体的に,神戸地方裁判所の場合で説明しますと...。 兵庫県伊丹市にある不動産の強制競売では,77① 伊丹市を管轄するのは,神戸地方裁判所伊丹支部ですが,② 伊丹市所在の不動産の競売事件の管轄は神戸地方裁判所尼崎支部になります。同じように,兵庫県明石市にある不動産の強制競売では,① 明石市を管轄するのは,神戸地方裁判所明石支部ですが,② 明石市所在の不動産の競売事件の管轄は神戸地方裁判所本庁になります(2022年現在)。このように管轄裁判所内の事務分担により,不動産の所在地のみでは申立てをするべき裁判所が判断できないことがあるので,念のため,提出前に裁判所に確認した方がよいでしょう。⑵ 必要書類収集 申立てに必要な書類を集めます。案件によっては別途必要となるものがありますが,まずは,基本的に必要なものを挙げていきます。① 債務名義の正本・債務名義送達証明書など執行開始要件を証する文書 強制競売では,執行力のある債務名義の正本を添付資料として提出する必要があります(民執25条,民執規23条)。即時抗告をすることができる家事審判書のように,確定しなければ効力を有しない債務名義は,確定証明書の提出が必要です。また,不動産仮差押えの本執行への移行の1 強制競売
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