法不動
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i 月日が経つのは早いもので,最初は身近な人たちとの集まりの中で作成した研修用のレジュメから「スキルアップ法律事務テキスト」を書き上げ,そこから「スキルアップ法律事務ワークブック」「スキルアップ法律事務 裁判所提出書類の作り方・集め方」「スキルアップ法律事務 破産申立ての事務手続」を経て,本書でシリーズ5作目になりました。 一般に,大企業とよばれる株式会社においては,新入社員に対し入社後配属前に「新入社員研修」が行われ,最低限必要とされるスキルの教育が行われます。公務員も同じことで,裁判所や検察庁では裁判所,検察庁に採用された人を対象に研修が行われ,経験を積んでいくにつれて,さらにステップアップするための研修が行われています。しかし,法律事務所に勤務する事務職員に対する研修制度というものは,公的には存在せず,各単位弁護士会で研修が行われていますが,すべての弁護士会で行われているわけではなく,研修そのものがない弁護士会もあります。さらにその研修も必須ではなく,申込による任意の受講なので,弁護士によっては,「事務職員に研修は必要ない」との考えのもと,研修を受けたことがない事務職員が相当多数います。そういう人たちの一助になればと本シリーズが始まりました。 ただ,最近は登録後にすぐ独立する「即独」弁護士や,他の事務所に名目上所属して独立採算で活動している「ノキ弁(軒先弁護士)」,勤務弁護士(イソ弁)の期間が短く独立をせざるを得ない弁護士などが増え,そういった弁護士が事務職員を採用・教育する術として本シリーズを利用されているとの事情が聞こえてくるようになり,法律事務所を取り巻く環境・状況にも変化の波が押し寄せているように感じております。 そういったなかで,本書は以前から要望の多かった「民事執行」の分野に特化してできるだけ細かい部分にも触れるように構成し,さらに,民事執行法の改正によって新たにできた「第三者からの情報取得手続」にも現時点の運用の範囲で執筆しました。まだまだ未知の分野で今後さらに運用が変化していくかもしれませんが,はしがきはしがき

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