民ガイ

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8第２章　田中家のものがたり──認知症対策で信託をはじめるＡ吉Ｂ子Ｃ美Ａ吉Ｄ太Ａ吉Ｃ美　来週、確定申告の打ち合わせで税理士のＸ先生と会うことになっているんだ。認知症になったときの財産管理について、何かいい対策がないか聞いてみることにするよ。　えぇ、それがいいわね。　この話が出た後で、ちょっと言い出しづらくなっちゃったんだけど、最近、お母さんの足腰が弱くなってきたのが心配だったの。それで、実は、そろそろお父さん・お母さんと同居して生活のサポートをしようと考えていたのよ。施設に入るのもいいけど、私がサポートできるうちは自宅で生活したらどうかしら？　そうだったのか。いろいろ考えていてくれてうれしいよ。何よりの誕生日プレゼントだ。ありがとう！　それは心強いな。うちは家を買ったばかりだし、仕事の関係で今の家から引っ越せないから、同居は難しいと思っていたんだ。　Ｃ美が同居してくれるということなら、もし生前に自分たち夫婦の生活資金が足りなくなれば自宅を売るかもしれないけれど、そうでなければ自宅は売らずに、最終的には自宅はＣ美に相続させるという選択肢もあるな。　ありがとう、でも、この家は私が1人で住むには大きすぎるから、お父さんとお母さんが住まなくなったときは、私はマンションに引っ越そうと思っているわ。