民ガイ
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 成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度があります。法定後見制度は、本人の判断能力に応じて、「後見」「保佐」「補助」の3つの類型があります。 認知症になった人が成年後見制度を利用する場合、症状が重く、判断能力が欠けているのが通常の状態であれば、「後見」を利用することになります。「後見」とは、判断能力がない方(成年被後見人)のために、家庭裁判所が選任した成年後見人が、成年被後見人を代理して法律行為などをすることにより、成年被後見人を保護・支援する制度です。 成年後見人は、成年被後見人の財産を適切に維持し管理する義務があるとされるため、成年被後見人の利益を損なう次のような行為をすることは原則として許されていません。10第2章 田中家のものがたり──認知症対策で信託をはじめるA吉税理士X⑵ 成年後見制度(後見) 認知症の人名義の不動産を売却する場合、成年後見人をつける必要があると聞きました。どういうことなのでしょうか? 認知症になると法律行為ができなくなります。そこで、認知症になった人を保護・支援するため、成年後見制度の「後見」を利用することがあります。解説■■■■■■■■■■■■【法律行為とは】 各種契約の締結、議決権の行使、遺産分割協議への参加、贈与、預金の引き出しの依頼 など

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