3第1講 倒産法─総論再建型法的整理民事再生会社更生(民事再生法)(会社更生法) さて,「倒産法」といっても,「倒産法」という1つの法律があるわけではなく,これから皆さんが学ぶことになる「破産法」「民事再生法」といった個別の法律により構成されています。包括して「倒産法」と言っているわけです。 最初に,マップとして「倒産法」の世界を示しておくと,次のとおりです。 いっぱいあるなあ,と思われたかもしれませんが,この中で,「破産」,法律としては「破産法」は,清算型の法的整理手続の根幹となる基本法で,「民事再生」,同じく「民事再生法」は,再建型の法的整理手続の基本法です。この2つを理解することが,倒産法の世界全体の理解につながります。 そして,本講義では,皆さんが学んできた民法の世界,これを「平常時」といったり,「平時」「平場」といったりしますが,この平常時と破産法や民事再生法の世界である倒産時を比較して見ていくことを重視します。その際,まず平常時と破産を比較しながら見ていくことで,破産法の世界をイメージし,理解していただきます。その上で,破産と民事再生を比較しながら見ていくことで,民事再生法の世界をイメージし,理解していただくという,積み上げ方式を採ります。実は,この積み上げ方式は,逆に戻っていくことで,民法の世界を再認識し,理解が進むという効用もあります。最後の場面である倒産時のことを知ることにより,平常時(平時)のことが分かるということです。 今回は,破産と民事再生のイメージを持っていただくことを重視していますので,詳細は第2講からの講義で説明します。あまり細かな話に気を取られず,シンプルに,大枠の理解,おおよそのイメージができれば,それでよしです。事業を清算するか再建して継続するか裁判所を通じた手続か裁判外手続か具体的な手続(破産法)(会社法)清算型法的整理私的整理清算型私的整理破産特別清算私的整理再建型私的整理
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