マンション関係法詳解
34/40

2  1:1であろうと思われる。」との当時の記述がある(我妻・物権法186)。(注) これについては,「一棟の建物が各階・各室別々の所有者として物権的に取引されるようになると,おそらく,民法の規定だけでは解決し得ない問題が生ずるかった。【区分建物と区分所有建物】区分法は,「区分所有建物」「区分建物」の定義はしていない。不動産登記法(以下「不登法」という。)も「区分所有建物」の定義をしていない。「区分所有建物」については,被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(以下「被災マンション法」という。)2条が,「建物の区分所有等に関する法律第2条第3項に規定する専有部分が属する一棟の建物」と定義している。区分法2条3項は,専有部分を定義する規定であるから,「専有部分が属する一棟の建物」が区分所有建物となる。すなわち,専有部分を含む「一棟の建物」全体が「区分所有建物」ということである。不登法には,「区分所有建物」を定義した規定はない。そして,被災マンション法には,「区分建物」の定義はない。不登法2条22号が定義している。区分建物とは,「一棟の建物の構造上区分された部分で独立して住居,店舗,事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものであって,区分所有法第2条第3項に規定する専有部分であるものをいう。」としている。すなわち,区分建物は,「専有部分」ということである。一棟の建物に複数の所有者が存在する場合,これを所有権の帰属という観点からどのように構成するかについては,二つの考え方がある。1:2 区分法

元のページ  ../index.html#34

このブックを見る